延滞税や罰金は経費になる?ならない?


「税務調査で追徴課税されたけど、この延滞税や罰金は経費になるのかな?」

そう考えたことがある中小企業の社長は少なくないはずです。事業に関わる支出はすべて経費にしたいと思うのは当然のことですよね。

しかし、結論から言うと、延滞税や罰金は原則として経費になりません。

なぜ経費にできないのか、具体的にどういったものが含まれるのか、分かりやすく解説していきます。

なぜ経費にならないのか?

法人税法では、「損金(経費)に算入できないもの」がいくつか定められています。その中の一つに、「加算税、延滞税その他これらに類するもの」が含まれています。

延滞税や罰金は、法律や秩序に違反したことに対するペナルティです。もしこれらが経費として認められてしまうと、税金を滞納したり不正をした際に課される罰金により、法人税等が少なくなるメリットが生まれてしまいます。

国は、このような不合理を避けるために、ペナルティとして支払ったお金を会社の経費として認めない、というルールを設けているのです。

経費にできないもの、できるもの

具体的にどのようなものが経費になる・ならないのか、いくつか例を挙げてみましょう。

【経費にできないもの】

  • 加算税:過少申告加算税、無申告加算税、重加算税など。
  • 延滞税・延滞金:法定納期限までに税金を納めなかった場合に発生する利息のようなもの。
  • 交通反則金:駐車違反やスピード違反などの反則金。
  • 罰金・科料・過料:刑事罰や行政罰として科される罰金など。
  • 罰則金:国や地方公共団体との契約で発生する罰則金。

【経費にできる可能性があるもの】

一方で、一見罰金のように見えても、業務遂行上やむを得ず支払ったものは、経費として認められる場合があります。

  • 違約金・損害賠償金:契約不履行などで相手方に支払う違約金や損害賠償金。
  • 和解金:訴訟を避けるために相手方と和解して支払うお金。
  • 利子税・納期限延長の際の延滞金

延滞金についても、納期限延長の合意ができている場合は経費に算入が可能です。

No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期|国税庁

ただし、これらも内容によっては経費として認められないケースもあります。例えば、代表者の個人的な違法行為によって発生した損害賠償金などは経費にできません。

よくあるご質問

Q1.社会保険料の延滞金は、経費として認められますか?

A. 経費になりません。社会保険料の延滞金は、税法上の「延滞金」に準ずるものと解釈されるため、税務上の損金には算入できません。

Q2.クレジットカードの延滞金は、経費として認められますか?

A. 経費として認められます。クレジットカードの延滞金は、税法上の「延滞金」とは異なり、利息や損害賠償金と同じ性質のものと解釈されるためです。ただし、事業用のクレジットカードを利用した場合に限ります。

Q3.利子税は、経費として認められますか?

A. 経費として認められます。利子税は、納税の猶予期間などに支払うもので、延滞税や加算税のようなペナルティとしての性質は持ちません。国税庁の基本通達でも損金算入が認められています。

No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期|国税庁

Q4.税金の納期限を延長した場合に発生する延滞金は、経費として認められますか?

A. 経費として認められます。

税法上の「延滞税」はペナルティとしての性質を持つため損金算入できませんが、災害など特別な理由で税金の納付期限を延長した場合に発生する延滞金(利子税)は、経費として認められます。

これは、国や地方公共団体が認めた正式な手続きに基づくものであり、ペナルティではなく、あくまで延納に伴う利息と解釈されるためです。

まとめ:無駄な支出をなくし、健全な経営を

延滞税や罰金は、会社の利益から支払うことになります。しかも、経費にできないため、その分だけ会社のキャッシュが減ってしまいます。

延滞税や罰金が発生しないようにするためには、税金の納付期限を厳守すること、そして交通ルールをはじめとした法令を遵守することが何よりも大切です。

日頃から税務や経理の管理をしっかり行い、無駄なペナルティをなくすことで、健全な会社経営に繋がります。

税務についてご不安な点があれば、早めに顧問税理士に相談することをお勧めします。