2025年 日本政策金融公庫 創業融資完全ガイド

\これから起業するあなたへ!公庫の創業融資をざっくり解説/

こんにちは!「お店を出したい」「フリーランスとして独立したい」「ずっと温めてきた事業を形にしたい」…
そんな“創業の夢”を実現するためには、お金(資金調達)が超重要です。

今回は、国が運営する日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資制度について、
2025年最新版の内容をカジュアルに分かりやすくまとめました!

日本政策金融公庫ってなに?

日本政策金融公庫(通称:公庫)は、国が100%出資している政府系の金融機関です。
でも、「お堅い役所」ではなく、民間企業と同じように動いている株式会社なんです(ちょっと意外?)

他の銀行と違うところも多いので、まずはその特徴をサクッとまとめてみました👇

💼【1】預金口座がない!?

公庫は融資専門の金融機関なので、預金口座はありません。
「お金を借りるところ」であって、「預けたり引き出したり」はできないのが特徴です。
振込や決済用の口座は、別の民間銀行で用意しておく必要があります。

🏛【2】政府100%出資の“株式会社”

名前に“公庫”とついていますが、会社のカタチは株式会社です。
ただし、出資者は国(財務省)だけなので、完全に公的な機関。
銀行よりも社会的使命が重視されていて、「利益よりも支援」が目的のスタンスです。

🏢【3】事業部門は2つ

公庫には主に以下の2つの事業部門があります:

  • 国民生活事業
     → 個人事業主、小規模企業(従業員20人以下)の創業や小口資金のサポートが中心
     → 創業融資や生活資金など、身近な支援がメイン
  • 中小企業事業
     → 中堅・中小企業(従業員21人以上など)向けの設備投資支援や高度化資金など
     → 融資額も大きく、成長フェーズの企業に対応

今回紹介している創業融資は「国民生活事業」の担当領域なので、
これから事業を始める方はまずこちらの支店・窓口を利用することになります。

ざっくり言うと、「起業したい人や中小企業の味方になってくれる国の金融機関」です。
民間の銀行と違って、実績がまだない創業者でも利用しやすいのがポイント!

公庫の創業融資、どんな人に向いてる?

日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資は、以下のような方々に特に適しています。

これから事業を始める方
 → 新規開業を目指す個人事業主や法人設立を考えている方。

開業後おおむね7年以内の方
 → 事業を始めて間もない方で、さらなる資金調達を検討している方。

自己資金が少ないが、事業計画が明確な方
 → 自己資金要件は撤廃されていますが、計画性が重要視されます。

民間金融機関での融資が難しいと感じている方
 → 創業時の実績不足などで、民間銀行からの融資が難しい場合。

公庫の利用者の実態

公庫の融資先は、小規模事業者が中心となっています。具体的なデータを見てみましょう。

  • 従業員数別の融資先割合(平成26年3月末時点)
    • 4人以下:68.0%
    • 5~9人:20.2%
    • 10~19人:7.9%
    • 20人以上:3.9%

つまり、融資先の約9割が従業員9人以下の小規模事業者で占められています。

また、創業時の資金調達において、公庫を利用する割合も高い傾向があります。例えば、2023年度の新規開業実態調査によれば、自己資金以外の調達先として公庫を利用した割合が高いことが示されています。

主な制度:新規開業・スタートアップ支援資金(2024年4月スタート)

新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫
日本政策金融公庫(略称:「日本公庫」)の融資のご案内をご紹介いたします。

✅ ポイントまとめ

  • 自己資金要件が撤廃され、申込みハードルが下がった!
  • 限度額や返済期間が大幅に拡充!
  • 条件次第で優遇金利が使えるように!

これにより、これから起業する人にとって、ますます使いやすい制度になっています。
特に、「店舗を持つ」「設備投資が必要」という方には朗報です!

項目【旧制度】新創業融資制度
(〜2024年3月)
【現行】新規開業・スタートアップ支援資金
(2024年4月〜)
対象者新たに事業を始める方、または開業後おおむね7年以内の方同左
融資限度額最大3,000万円(うち運転資金は1,500万円まで)最大7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)
返済期間設備:15年以内、運転:7年以内(据置最大1年)設備:20年以内、運転:10年以内(据置最大5年)
金利基準利率(おおむね1〜2%台)
女性・若者・シニア向け制度が別枠で存在
基準利率(特別利率A・Bあり)
女性、若者、外国人、創業セミナー受講者等、申込者の属性による
担保・保証人原則不要(無担保・無保証人)担保・保証人の有無を選択可(無担保・無保証人も可能)
自己資金要件総資金の1/10以上の自己資金が必要自己資金要件は撤廃
取扱部門国民生活事業(主に小規模事業者向け)同左

自己資金は“必須じゃない”けど、やっぱり大事!

旧制度では、「自己資金が全体資金の1/10以上必要」という条件がありましたが、
新制度ではこの要件は撤廃されました!

つまり、「自己資金ゼロ」でも申し込めるチャンスはあります。
…が、現実的には自己資金があった方が圧倒的に有利です!

自己資金があると…

  • 本気度や準備力が伝わる
  • 借入金額を抑えられて返済に余裕ができる
  • 融資の審査がスムーズになる傾向がある

目安としては、事業資金の2〜3割程度あると安心感があります。

融資までの流れ(ざっくりイメージ)

  1. 準備:創業計画書の作成&必要書類を揃える
  2. 申込み:Webまたは窓口から申請
  3. 面談:担当者と創業内容についてヒアリング
  4. 審査:書類&ヒアリングをもとに審査(2〜3週間が目安)
  5. 融資実行:通過すれば指定口座に入金!

申込~融資実行まで、順調にいけば1か月程度での早期の入金もあり得ます。

創業計画書ってなにを書くの?

創業計画書は「自分の事業を相手に伝えるためのラブレター」みたいなもの。
ここがしっかりしていないと、融資はなかなか通りません。

📋 主に書く内容はこちら!

  • 事業の概要(なにをやるの?)
  • 立地・ターゲット顧客
  • 競合との差別化ポイント
  • 売上・経費・利益などの見通し(数字が大事!)
  • 自己資金や資金の使い道

公庫の公式サイトにはテンプレートもありますよ!
👉 創業計画書ダウンロード(公式)

審査でチェックされるポイントは?

\準備次第で結果が変わる!/

創業融資は、「計画をきっちり練れば、まだ実績がなくても借りられる」制度。
でもその分、事前の準備と「中身」が超大事です。公庫の担当者が重視するポイントを、詳しく解説します。

✅ ① 創業動機・ビジネスの背景

「なぜこの事業をやりたいのか?」が、熱意と説得力を持って語れるかが重要。

  • これまでの人生や経験と、今のビジネスがつながっているか
  • 単なる思いつきでなく、準備・覚悟があるか
  • その地域やニーズに合っているか

📌アドバイス:「自分だからこそできる理由」を1分で話せるようにしておくと◎

✅ ② 経営者としての経験・スキル

業界経験・マネジメントスキル・資格などがあるかどうか。

  • 同業界での勤務経験(年数や役職)
  • 技術や知識(資格・免許の有無)
  • お金の管理、仕入・発注などの業務経験

📌アドバイス:飲食店なら厨房経験だけでなく、仕入・在庫・経理などにも触れておこう。

✅ ③ 創業計画書のリアリティ

数字に根拠があるか?売上見込みは現実的か?が重要です。

  • 売上の予測:根拠は何か(来客数×客単価など)
  • 経費の内訳:家賃、光熱費、人件費などの見積もりは妥当か?
  • 損益計画:毎月赤字にならないか、数年後に黒字になるか

📌アドバイス:同業他社や市場調査のデータを添えると説得力UP!

✅ ④ 自己資金の有無と貯め方

2024年から要件は撤廃されましたが、「どこからそのお金を準備したか」は見られます。

  • 給与からコツコツ貯めた? → ◎
  • 親族からの借入のみ? → △(自己努力が薄いと判断されることも)

📌アドバイス:直前に一括でもらったお金より、毎月積み立てた実績が評価されます。

✅ ⑤ 信用情報(個人信用情報機関のチェック)

過去のカードローンやクレジットの延滞履歴などが記録されています。

  • 携帯代の滞納も影響することがあります
  • 完済していても「延滞歴」が数年残ることもあるので注意

📌アドバイス:心配な人は、事前にCICなどで自分の信用情報を取り寄せてチェック!

✅ ⑥ 資金の使い道(明確さと妥当性)

「何に、いくら使うのか」がはっきりしていることが大前提。

  • 使い道が具体的か(厨房機器○円、内装工事○円、広告費○円など)
  • 開業後のキャッシュフローを圧迫しないか

📌アドバイス:見積書や契約予定書類を添えるとより明確に!

👀 審査担当者はココを見ている!

「この人は、きちんと準備して、着実にビジネスを育てていけそうか?」
「この事業は、貸したお金を回収できる見込みがあるか?」

…という、「人」と「事業」の両方の目線から判断されます。

しっかり準備して、創業の第一歩を自信を持って踏み出しましょう!
不安な場合は、税理士や創業支援機関に相談するのもおすすめです◎

よくある質問(Q&A)

Q
創業前でも借りられるの?
A

はい、むしろ創業前の資金調達として使われています。事業内容が具体的ならOK!

Q
アルバイトしか経験がないけど大丈夫?
A

関連業界での経験があると強みになりますが、計画がしっかりしていれば可能性はあります。

Q
融資っていつごろ実行されるの?
A

申込みからだいたい1ヶ月程度と考えておきましょう(面談や書類のやりとり次第で前後します)

Q
許認可が必要な業種は、融資にどう影響する?
A

飲食店や建設業、美容室、介護事業など、開業に「許可」や「登録」が必要な業種では、融資審査で「許認可の取得状況」がしっかりチェックされます。
とはいえ、「もう許可証を持っていないとダメ!」というわけではありません。

📌ポイントは、融資の申込み時点で、「許認可が確実に取れる準備ができているか」

以下のような書類を用意して、相談してみましょう。

  • 飲食店なら「食品衛生責任者講習を予約済み」「保健所に申請済み」など
  • 美容室なら「美容師免許のコピー」や「保健所と開業相談済み」の証明
  • 建設業なら「経営業務管理責任者」の資格がある、登録申請予定

まとめ:創業融資は“準備力”が命!

「借りられるかどうか」は、あなたの熱意×計画×実行力で決まります。

☑ 自己資金はなくてもチャレンジできる
☑ 計画がしっかりしていれば応援してくれる
☑ わからなければ公庫や税理士・支援機関に相談しよう!

当事務所では、融資の支援も行っています。
是非ご相談ください!

参考:許認可の必要な事業

業種カテゴリ具体的な事業内容主な許認可・届出管轄機関
飲食業飲食店、カフェ、バーなど飲食店営業許可保健所(都道府県・政令市)
理美容業美容室、理容店美容師(理容師)免許/施設開設届出保健所
小売業(食品)惣菜販売、弁当屋、食品店など食品衛生責任者/営業許可保健所
建設業建築、大工、内装、電気、水道工事など建設業許可(軽微な工事は不要な場合も)都道府県/国交省
訪問介護・福祉デイサービス、訪問介護、放課後等デイなど介護事業所指定、障害福祉サービス指定都道府県・市町村
保育・教育保育園、幼児教室、一部学童など認可保育事業/届出保育施設の申請市区町村
古物商リサイクルショップ、中古品売買など古物商許可警察署(公安委員会)
旅館・民泊業民泊、ゲストハウス、簡易宿所旅館業許可(民泊新法含む)保健所・観光課等
タクシー・運送一般貨物運送、軽貨物、タクシーなど運送事業許可/貨物軽自動車届出国交省・運輸支局
派遣・職業紹介人材派遣、紹介業労働者派遣事業許可/職業紹介事業許可厚労省・労働局