資金調達の新しいカタチ?中小企業の味方「クラウドファンディング」とは

最近「クラウドファンディング」って言葉をよく耳にしませんか?

「うちは中小企業だし、関係ないかな…」と思っている社長さん、実は今、中小企業こそ活用すべきツールとして注目されているんです。

この記事では、クラウドファンディングの基本から、中小企業が活用するメリット・注意点まで、わかりやすくまとめてみました!

当事務所は、税理士事務所では少ない、クラウドファンディングの支援ができる事務所です。
興味をお持ちの方は是非ご相談ください。

▼提携プラットフォーム

そもそもクラウドファンディングって?

クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から資金を募る仕組みのことです。

「Crowd(群衆)」+「Funding(資金調達)」を合わせた造語です。

クラウドファンディングサイト上に、「新商品を作りたい!」「地域の活性化につながる取り組みをしたい!」といった夢や目標を掲載し、なぜやりたいのか、どんな未来を実現したいのかをアピールします。想いに共感してくれた人たちが、支援という形でお金を出してくれます。

支援に対しては、リターンとしてモノやサービスをお返しします。

中小企業が活用するメリット

① 資金調達がしやすい

銀行融資や補助金と違い、事業の収益性や、返済可能性で評価されないことから、創業前や創業間もない事業者でも資金の調達が可能です。また、リターンさえちゃんと返せば集まった資金は原則自由に使うことができ、返済も不要です。

② 商品やサービスのテストマーケティングになる

「支援=先行予約」となるケースが多いため、需要のある・なしが事前にわかるのも魅力です。支援が多く集まったもの(=需要のあるもの)だけ作り、支援が集まらないもの(=需要が無いもの)は開発前にストップができるなど、事業リスクを低減できます。

③ PR効果が大きい!

支援者がSNSでシェアしてくれることで、無料で広告効果が得られることも。
盛り上がっているプロジェクトはメディアも注目しやすく、特にネットニュースには掲載される可能性が非常に高いです。

クラウドファンディングの種類

一口にクラウドファンディングと言っても、様々な種類があり、目的によって使い分けます。

種類特徴向いているケース代表的な
プラットフォーム
購入型支援者に対して商品やサービスなどの「リターン」を提供・新商品の開発
・地域体験
・テスト販売など
CAMPFIRE
Makuake
など
寄付型リターンなし。社会貢献や共感による純粋な支援・社会福祉
・教育
・災害支援
・地域活性など
READYFOR
CAMPFIRE
など
投資型出資に対して配当や株式などを提供(金融商品)・スタートアップ
・事業拡大資金調達など
イークラウド
Fundinno
など
融資型支援者がお金を貸し、利息を得る・運転資金
・設備投資
などの中期的な資金ニーズ
クラウドバンク
SBIソーシャルレンディング
など

◎「購入型」(もっとも一般的)

支援者はお金の代わりに、商品やサービスを受け取るタイプ。
→ 例:飲食店などの店舗、新開発のガジェット・地域の体験サービスなど。

◎「寄付型」

リターンはなく、社会的意義に共感した人からの寄付
→例:福祉、動物保護、地域振興など。

◎「投資型」

金融商品に近い仕組み。株式をリターンとして発行します。
→例:スタートアップの資金調達など

クラウドファンディングの向き・不向き

項目向いているケース向いていないケース
商材の特徴新商品、限定商品、ストーリー性のある商品など
(例:地域素材の食品、クラフト製品など)
汎用的で差別化が難しい商品
(例:既存の仕入れ商品など)
価格帯客単価 5千円~2万円程度高すぎる or 安すぎる
ターゲット一般消費者向け(BtoC)
ネット注文や配送が可能なもの
BtoB専用商材、業務用機器、システム開発など
在庫・生産体制小ロットからでも生産できる
受注生産や試作対応が可能
最小ロットが大きい、柔軟な対応が難しい
販売戦略「応援購入」としてファンづくりを重視したい
知名度アップやテストマーケティングに活用したい
価格競争や大量販売がメインの戦略
発信力・PR力SNSや自社のファンが一定数いる
メディア掲載の可能性がある
PR手段が乏しく、知名度がほとんどない場合
業界・商習慣食品・雑貨・クラフト・アパレルなど
ECやD2Cに親和性が高い分野
建設業・製造業(部品等)などBtoB色の強い業界

補足

  • 向いていないと感じる場合でも、ストーリーや社会性があればチャンスあり!
    → 例:「伝統技術を守る職人支援プロジェクト」など
  • また、PRが苦手でも士業などの専門家がサポートすれば可能性は広がります。

クラウドファンディングの注意点・準備すべきこと

項目詳細
① プロジェクト設計・目的(何のための資金か)を明確にする
・目標金額やスケジュールを現実的に設定する
・支援者への「リターン」(お礼や商品)の内容や価格設定も重要
② ストーリーの構成・「なぜこの挑戦をするのか」「どんな想いがあるのか」を文章で伝える
・ストーリーに共感してもらうことが支援につながる
③ 写真・動画の準備・ページに掲載する画像や動画は第一印象を左右する重要ポイント
・プロに依頼する企業も増えている
④ プラットフォーム選び・目的や商品にあったサービスを選ぶ
・手数料(平均17〜20%)やサポート体制も要チェック
⑤ プロモーション戦略・SNS、メルマガ、自社HPなどで発信を継続的に行う
・事前に関係者やファンに協力依頼をしておくと◎
⑥ 実行後の対応・支援者へのリターン発送を期日内に確実に実施
・活動報告や進捗報告で信頼を維持する
⑦ 税務・会計上の処理・支援金は「売上」として扱われるケースが多い(会計処理が必要)
・場合によっては消費税や所得税の対象に。顧問税理士に相談を

購入型クラウドファンディングの大まかなスケジュール

時期やること
3〜4か月前✅ プロジェクト企画立案
・目的・目標金額・リターン(お礼品)の設計
・ターゲットの明確化、マーケティング方針検討
2〜3か月前✅ プラットフォーム選定&申し込み
✅ 写真・動画・紹介文などの素材作成
✅ ストーリー原稿・リターン詳細の作成
1〜2か月前✅ プラットフォーム側の審査(1〜2週間)
✅ 事前告知・SNS準備(事前登録など)
✅ 関係者への告知・協力依頼
募集開始(30〜60日程度)✅ 毎週進捗報告・SNS発信などの広報活動
✅ 支援者へのメッセージ対応
募集終了後〜1か月✅ 支援金の振込(通常、終了後1か月前後)
✅ リターンの発送準備
✅ 活動報告・お礼の連絡
2か月以内✅ リターン発送完了
✅ 継続販売や顧客フォローへ展開(ECサイト誘導など)

✅ よくある失敗例

  • 思ったより集まらず、途中で心が折れて放置してしまう
  • 写真が地味で、ページが全く注目されない
  • リターン設計が甘く、赤字になる or 発送が間に合わない

✅ 成功するためのコツ

  • プロジェクト前に「仲間づくり」(SNS、知人、顧客への声かけ)
  • 共感と応援される“人間味あるストーリー”を意識
  • 「自社の知名度アップ・販路開拓にもなる」と考え、営業の一環として取り組む

まとめ|中小企業にとっての新たなチャンス!

クラウドファンディングは、資金調達にとどまらず、マーケティング・PR・ブランディングにもなる強力な手段です。

「新しい商品を試してみたい」「地域や業界を元気にしたい」そんな想いがあるなら、一度チャレンジしてみる価値あり!

当事務所では、クラウドファンディングの計画立案や実行サポートも行っています。
ぜひお気軽にご相談ください。