社宅の関連費用の取り扱いは?電気代・水道代・通信費等、どこまで経費にできる?

社宅について、会社で契約し、相当の家賃(賃料相当額)を賃借人から徴収すれば、家賃が経費として認められます。
※賃料相当額は、こちらから計算ができますので、是非ご利用ください。

それでは、社宅に付随する費用はいかがでしょうか。

今回は、社宅に付随する費用について、どこまで経費にできるのかをご説明します。

原則的な考え方

社宅に関する水光熱や通信費など、個人で負担すべき費用を会社で負担した場合には、

  • 従業員への現物給与として、所得税の課税がされます。
  • 役員に対する社宅の貸し付けの場合、定期同額の要件を満たさない場合には、経費として認められなくなります。(この場合、法人税が課税されます)

給与なので、当然所得税の源泉徴収も必要になってきます。

つまり、役員に対する現物給与として認定されると、法人税と所得税のダブルで課税されてしまうので注意が必要ですね。

具体例と特例的取り扱い

賃料以外の費用(礼金・更新手数料・仲介手数料等)

会社の費用として計上ができます。

ただし、建物の賃貸借に関する権利金となり、繰延資産に該当します。
繰延資産は、20万以下なら全額を経費に計上可能、20万超の場合には、5年又は契約期間で償却を行います。

水光熱・通信費など

原則は現物給与に該当します。
しかし、コロナ禍においてテレワークが一般的になったことから、テレワーク時の電気代等の会社負担の通達が出ました。
この通達に則って会社負担の金額を設定しましょう。

在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf

通信費に係る業務使用部分の計算方法

Q
業員が負担した通信費について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、業
務のために使用した部分はどのように計算すればよいですか。
A

〇原則実費を会社が負担すれば給与課税されない。

〇簡便計算も可能

会社負担 = 請求金額×(在宅勤務日数÷月の日数)÷2

例)請求1万円、31日中20日在宅勤務の場合
  10,000円×(20日÷31日)÷2=3,225円

電気料金に係る業務使用部分の計算方法

Q
従業員が負担した電気料金について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、
業務のために使用した部分はどのように計算すればよいですか。
A

〇以下の算式による金額を会社負担とする分には給与課税されない。

会社負担 = 請求金額×(業務に使う床面積÷自宅全体の床面積)×(在宅勤務日数÷月の日数)÷2

例)請求1万円、業務利用20㎡・自宅全体50㎡、31日中20日在宅勤務の場合
  10,000円×(20㎡÷50㎡)×(20日÷31日)÷2=1,290円

火災保険料

どちらが負担しても大丈夫です。
会社負担で基本的に問題ありません。

引っ越し費用

どちらが負担しても大丈夫です。
会社負担で基本的に問題ありません。

社宅規定や福利厚生規定を作成しよう

上記のような費用は、社内規定を根拠に負担するようにすると、税務調査の際に説明がしやすいです。
社宅の規定を作成して、費用負担をどうするかを明確にしましょう。

上手に運用して、節税につなげていきましょう。