
業務改善助成金とは?
令和7年度 業務改善助成金の詳細が発表されています。
「業務改善助成金」とは、中小企業・小規模事業者が、生産性向上のための設備投資や業務の見直しを行うとともに、最低賃金の一定額以上引上げを行った企業に、費用の一部を国が助成してくれる制度です。

例えば、業務の効率化につながる機械の導入や、ITツールの導入、業務フローの改善などが対象となります。条件を満たせば、最大600万円まで助成を受けることが可能です。
「従業員の賃上げと業務効率化を同時に実現したい!」「予算の都合で導入を迷っていた設備がある…」そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひこの機会に業務改善助成金の活用をご検討ください。
▼厚生労働省ホームページ上で情報が公開されています。
業務改善助成金を活用した具体的な改善例
業務改善助成金は様々な業種で活用されています。どのような例があるのか、業種ごとにご紹介します!
🍽 飲食業の場合
POSレジの導入で注文・会計業務を効率化!
注文ミスや待ち時間の減少により、業務がスムーズになり、従業員の負担も軽減。
→ 効率化によって、従業員の時給アップも実現!
🏭 製造業の場合
自動梱包機の導入で作業時間を大幅削減!
これまで手作業で行っていた工程を自動化し、残業の削減と生産性向上に成功。
→ 空いた時間で新規受注にも対応可能に。
🛍 小売業の場合
在庫管理システムの導入で棚卸作業を省力化!
手作業による在庫管理から脱却し、ミスの削減&時間短縮。
→ 売上分析も容易になり、販売戦略にも活用。
💻 サービス業(事務)
勤怠管理システムの導入で給与計算の手間を軽減!
紙やエクセルでの勤怠管理からクラウドへ移行し、担当者の業務を大幅に削減。
→ 効率化で生まれた余裕を顧客対応に活用。
こうした取り組みは、助成対象になる可能性が高く、実際に多くの企業で活用が進んでいます!
募集要項
対象事業者
以下のA又はBの要件を満たす中小企業・小規模事業者
※業種ごとの詳細については、厚生労働省HPで該当分類をご確認ください
業種 | A 資本金または出資額 | B 常時使用する労働者 |
---|---|---|
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
助成上限額
最低賃金の引き上げ30円コースから90円コースまで存在し、引き上げる最低賃金額及び引き上げる労働者の人数によって助成上限額が変わります。

助成率
申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって、助成率が変わります。
1000円未満:4/5
1000円以上:3/4
助成対象経費、具体例
助成対象となる経費は「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」です。
助成対象経費となる具体例としては以下のようなものが考えられます。
🛠 設備投資関連
- 業務効率化のための機械設備の導入
- 例:自動包装機、食洗機、製造ラインの省力機器など
- POSレジ、券売機、セルフレジなどの導入
- パソコン、プリンター、タブレット(業務用に限る)
💻 ITツール関連
- 業務管理ソフトウェア・クラウドサービスの導入
- 勤怠管理、給与計算、在庫管理、顧客管理(CRM)など
- デジタルサイネージ(店舗や施設の案内・広告用)
🏗 施設・設備の改修(業務改善目的)
- 作業導線の見直しを目的とした作業スペースのレイアウト変更
- 生産性向上のための間仕切り設置や床改修工事など
📚 その他
- 研修費(機器導入に伴う操作研修など)
- 運搬費、設置費、導入に伴う消耗品費(条件あり)
事業完了期限
業務改善助成金では、申請が採択されたあと、一定の期間内に設備の導入や業務改善の取り組みを完了させる必要があります。
具体的には、
交付決定通知を受けた日からおおむね6か月以内に、以下のすべてを終えておく必要があります:
- 対象となる機器の購入・設置
- 改善措置の実施
- 賃金引き上げの実施(要件に該当する場合)
期間を過ぎると助成金の交付対象外となる可能性があるため、スケジュール管理が非常に重要です!
業務改善助成金 申請の流れ
- ①事前準備・要件確認まずは、自社が助成金の対象となるかどうかを確認します。
対象業種・企業規模か?賃金引上げの計画があるか?設備導入や業務改善の具体的な内容があるか?
- ②交付申請書の作成・提出助成金を申請するための書類を準備し、提出します。
(業務改善計画書・賃金引上げ計画・設備導入の見積書 等)
▶ 提出先は、都道府県労働局やハローワークです。
- ③交付決定(審査通過)書類審査を経て、申請が認められると「交付決定通知」が届きます。
▶ この通知が届く前に設備を購入・契約すると助成対象外になるので注意!
- ④業務改善の実施交付決定後に、計画に沿って業務改善を進めます。
機器やシステムの導入、従業員への賃上げ実施、社内の業務フロー見直しなど
▶ この期間が「事業完了期限(交付決定後およそ3~6か月)」です。
- ⑤実績報告書の提出事業が完了したら、その成果を報告します。
支出の証拠書類(領収書、納品書など)、賃金引上げの証明(給与台帳など)、実施内容の報告書
▶ 提出後、内容に問題がなければ助成金が支給されます。 - ⑥助成金の受給審査を通過すると、指定口座に助成金が振り込まれます。
詳細は、厚生労働省 当該助成金ページをご確認ください
「こうしたいけど、費用がネックで…」というお悩み、ありませんか?
業務改善助成金は、そんな悩みを前向きな一歩に変える心強い制度です。
ぜひこの機会に、ご自身の事業にぴったりの活用方法を探してみてください!
申請にはそのほか様々な要件がありますので、必ず下記助成金HPで詳細をご確認の上、計画を進めてください。
★業務改善助成金の申請にあたっては、設備投資や賃金引上げといった経営判断が関わるため、顧問税理士との連携も重要です。幣事務所では補助金サポートについて、随時ご質問・ご相談を承っています。ぜひお気軽にお問合せください!