
「会社を辞めて、いよいよ起業!」
でも、こんな不安ありませんか?
「起業したら失業手当(基本手当)ってもらえないんじゃないの…?」
はい、そのとおり。実は…
◆ 原則|起業したら基本手当はもらえません
雇用保険の基本手当(失業手当)は、「働いていない=失業状態」であることが支給の条件です。
つまり…
- たとえ開業準備中であっても
- 小さくても事業を始めて収入があれば
「働ける状態ではない」と判断されて、基本手当は受け取れなくなります。

◆ 起業準備中・起業中は「失業の状態」ではない
たとえば以下のような状況は、失業状態とは見なされません:
- 開業届を出して事業を始めている
- ネット販売や自営の収入が発生している
- 起業準備で毎日活動している(顧客訪問、仕入れなど)
このような状態は「働いていない」わけではないため、雇用保険の給付対象外になります。
◆ そこで!起業希望者が使える「受給期間の延長」制度
起業を目指す人がよく使うのが、「雇用保険の受給期間延長」の特例です。
通常、基本手当の受給期限は「退職の翌日から1年間」ですが…
起業準備のために“すぐに失業状態ではない”場合、最大3年間延長して合計4年まで先送りできます。
つまり、起業したけどうまくいかず廃業した際に、失業保険の受給を復活できる仕組みです。
手続きと期限
◆ 手続き方法
項目 | 内容 |
---|---|
申請先 | ハローワーク(住所地を管轄) |
提出書類 | 受給期間延長申請書(ハローワークで配布) 本人確認書類(マイナンバーカード等) |
申請方法 | ハローワーク窓口にて直接申請(郵送不可の場合が多い) |
注意点 | 離職票の提出を済ませておく必要があります(※退職後の基本的手続き後) |
◆ 申請期限に要注意!
- 離職日の翌日から起算して30日間経過後でないと申請できない(これは法定)
- 離職日の翌日から31日目〜その日から起算して1か月以内(最大で離職の翌日から約2か月以内)
- 遅れると、延長できず、基本手当の権利そのまま失効へ向かう

👉 たとえば:
3月31日退職 → 4月30日が「退職翌日から数えて31日目」 → 5月末までに延長申請が必要
✅ 再就職手当と起業の関係|「自分で起業」でももらえる?
◆ 再就職手当とは?
本来もらえるはずだった雇用保険の基本手当(失業手当)の残り分の一部をまとめて支給する制度です。残日数の50~70%を一括受給可能です。
✅ 就職が早まった人への“ごほうび”のような制度です。
◆ 起業も「就職」として認められることがある
ハローワークでは、「自己の事業を開始した場合」も再就職と見なされることがあります。
つまり、一定の条件を満たせば、起業でも再就職手当の対象になるのです。
再就職手当をもらった場合には、「受給期間の延長」による受給額は
- 受給期間の延長は、「失業状態になったときに基本手当を受けるために、権利を“キープしておく”制度」です。
- 一方、再就職手当を受け取ると、その“元の受給資格”の一部が精算され、残りは失効の扱いになるため、
- 受給期間延長によって保留していた権利も、再就職手当の受給で消滅します。
🔺 つまり、延長後に再就職手当を受け取った時点で、元の「受給資格」は終了。
🔺 よって、その後に失業しても、「延長していた分」はもう使えません。
検討し、活用しましょう。
「受給期間の延長」を使うか、「再就職手当」を受給するか、検討し、期限内に手続きを忘れずに!